与那原在宅ケアセンター

【与那原在宅ケアセンター】　職員定期研修

８月は、「高齢者虐待・身体拘束」です。
介護保険サービスでは、高齢者虐待は当たり前やっちゃいけない事。身体拘束も、してはいけない事です。

なぜなら、厚労省のガイドラインでは、身体拘束をすると「人間の尊厳を失ってしまう可能性がある」という、大きな強い言葉で書かれています。介護の勉強でもそのように習います。

私も入所施設で働いていた時に、身体拘束をされている高齢者を、受入れ前にご本人さんの状態を見に行ってきた職員が、映してきた動画を見てビックリしたことがあります。
以前、施設で入所していた方が別人のようになっていました。

介護・看護職員が、「大変になるかもしれないけど、また戻してあげよう」との思いで、再入所を受入れました。元々いたご利用者さんであったので、入所したその日、その時から車イスのベルトを外しました。
その日から、車イスからの立ち上がりもなく、大声をあげることもなく、以前のような穏やかな方として過ごされていきました。
あの状態は何だったんだろうと、今でも思い出します。

このエピソードを聞いてどう感じますか？

全員が同じように身体拘束を外してもうまくいくとは限りません。逆に身体拘束をしないことで、転倒リスクが高まることは確実です。転倒の確率は上がりますが、絶対転倒するかどうかは、誰にも分かりません。
しかし、その人の人生の晩年における時間において、身体拘束をされ嫌で大声をあげていた。
それが、穏やかな生活を送ることができるようになった。
事実として分かったことは、それだけです。

これが介護の力です。

大げさな言い方ですが、『介護』とはトイレやお風呂、食事のお手伝いをしているだけではありません。その方が、穏やかに過ごせて、一日一日を楽しく過ごせるように、それをお手伝いする仕事です。
認知症になっても全ての方が、このようにうまくケアができるかどうかは難しいですが、介護の職員さんが考えている事は、
『一人ひとりのお年寄りが笑って過ごせるようにしたい』という、シンプルだけど、とても大切な思いを大事にしてくれています。

これからも、一人ひとりのお年寄りの方が、毎日を楽しく過ごせて、穏やかな一日を過ごせるようにしていきたいです。